家族を大切にする会社は、応募が3倍に増える

どんな業種でも、応募数を3倍以上に増やせる“確実な方法”があります。
それは「家族を大切にできる会社」というメッセージを打ち出すことです。
採用がうまくいっている会社には共通点があります。
それがこの「家族を大切にする会社」という価値観を、
しっかり伝えていることです。
求職者の意思決定には、家族の意見が大きく影響します。
妻が「そんな会社はやめた方がいい」と言うような職場では、
夫が長く働き続けることは難しいでしょう。
逆に、「こんな会社なら安心ね」と背中を押してくれるような会社は、
家族ぐるみで応援されます。
実際、20代・30代で結婚や子育てを経験した人ほど、
「家族との時間を大切にしたい」という価値観を強く持つようになります。
この変化に気づかず、働き方を変えられない職場では、
社員が転職を考え始めるきっかけにもなります。
例えば不動産業界では、土日が書き入れ時のため、休みを取りにくいのが現状です。
子どもの運動会や家族の行事に参加できず、
「次こそ行ってね」と言われながら仕事を優先せざるを得ない父親も少なくありません。
そんなとき、次のような求人を見つけたらどうでしょうか。
「当社は、従業員に家族を大事にしてもらいたいという思いから、
土日に休める不動産会社です。」
この一文だけで、応募者の心は大きく動きます。
好きな仕事を続けながら家族との時間も大切にできる。
そんな理想の働き方を実現できるかもしれないと思えるからです。
さらに、社長自身の体験が加わると、
メッセージの信頼性と共感度は一気に高まります。
「私自身、30年前に会社を創立して以来、
子どもの学校行事に一度も参加できませんでした。
若い社員には私と同じ思いをしてほしくありません。
私たちはお客様の家族の幸せをつくる家を提供する会社です。
だからこそ、月に2回は土日に休める制度を設けています。」
このような想いのこもった言葉は、求職者の心に深く響きます。
実際、こうした「家族を大切にする」方針を掲げた企業では、
応募数が飛躍的に増加しています。
「家族を大切にできる会社」という理念を掲げることで、
人手不足に悩まない会社へと変わりました。
私の考えですが、応募が3倍に増えるからといって、
実態と異なることを打ち出すのは逆効果です。
それを信じて入社した人が短期離職すると、
・採用コストや教育コストは水の泡になります。
・職場の士気が下がり、
・会社のイメージも悪化し、口コミで広がっていきます。
「家族を大切にする」というコンセプトは、応募増に効果的ですが、
実際にその体制を整えなければ、劇薬にもなりかねません。
だからこそ、メッセージと実態を一致させることが大切です。
この考え方は、次のような職場に特におすすめです。
・残業がなく、定時で帰れる会社
・急な休みにも柔軟に対応できる職場
・複数店舗を持ち、互いにフォローし合える環境
たとえば子どもの発熱や保育園の行事などで、
急に休まなければならないときでも、
子育て経験のある先輩や仲間が協力してくれる。
そんな文化がある職場は、安心して長く働けます。
「家族を大切にする会社」は、求職者にとって“人生を支えてくれる会社”です。
家族を想う気持ちは誰にでもあります。
その気持ちに寄り添える職場こそ、人が自然と集まる場所になるのです。
求人票を書くときは、「求める人材像」ではなく、
「こんな方におすすめの職場です」と表現してください。
「Meコピー(自社目線)」ではなく、「Youコピー(応募者目線)」に変える。
これだけで、伝わり方がまったく違ってきます。 「家族を大事にできる会社」というメッセージは、
業種を問わず通用する“鉄板の訴求”です。
家族を想う気持ちはすべての人に共通するテーマ。
求人票にこの価値観を込めることで、応募数は確実に増えます。
しかし、最も大切なのは「本当にそうであること」。
想いと仕組みが伴ったとき、その言葉は本物として伝わります。

