日本の“人手不足”って、本当に足りないの?

給料が上がらず、税金が上がる国で「人手不足」を語る意味って
最近、どこに行っても「人手不足」という言葉を耳にします。求人を出しても応募が来ない、採用しても長続きしない…。
多くの経営者や人事担当の方が、そんな悩みを抱えています。
でも本当に“人”が足りないのでしょうか?数字で見てみると、日本の平均賃金は過去10年でほとんど上がっていません。
上昇率はわずか1.7%。一方で、税金や社会保険料の負担は12%以上増えています。働く人も雇う人も、どちらも苦しいのが現実です。
現場では、外国人労働者が支えとなっているケースも増えました。彼らは本当に真面目で、責任感が強い。
でも、彼らに頼る構造が続くと、「なぜ自国で働きたくなる環境が作れないのか」という問いが残ります。
一方で、映画やアニメの世界では“手仕事の価値”が再び見直されています。
細やかな技術や情熱を持つ人が、世界で評価されている。
なのに、現実の労働現場では、その努力が十分に報われていない。
このギャップが、今の日本の姿を象徴しているように思います。
ある中小企業の社長さんがこんなことを言いました。
「うちは人が欲しいんじゃない。笑顔で働ける“希望”が欲しいんです」
この言葉には、たくさんの現場の気持ちが詰まっています。
足りないのは人手ではなく、「働きたいと思える温かさ」。
給料や待遇の数字だけではなく、誰かが頑張ったことをちゃんと認める文化。
少しずつでいい。そんな場所を増やしていくことが、
きっとこの国をもう一度元気にするカルチャーになる。そう信じたいですね。

